(提供:井澤 佳織)

価値交換工学RAの井澤 佳織さん(工学系研究科・建築学専攻)らの論文が日本都市計画学会で年間優秀論文賞を受賞しました。本論文では歴史的建築物を収益施設に改修する際の最適な比率を分析する意思決定モデルを提案、京都市の事例を実際に用いて検証に取り組み、オリジナリティの高さが評価されました。
本年度の論文賞は、2021年の 1 月から 12 月に発表された、都市計画論文集登載論文 全 182 編の中から選定され、優れた内容を有する論文7編として受賞に至りました。

(提供:井澤 佳織)

■受賞論文タイトル
歴史的建築物保存における収益施設化に向けた最適改修割合ー京都市歴史的建築物の保存および活用に関する条例適用事例に基づく検証ー
https://www.jstage.jst.go.jp/article/journalcpij/56/3/56_1144/_article/-char/ja/

■著者
井澤 佳織、渡部 宇子、本間 裕大、今井 公太郎

■研究内容
近年、歴史的建築物を収益施設に改修する手法が保存活動の主要な戦略のひとつとなっています。本論文では、この戦略を持続可能なものにするため、歴史的建築物を収益施設に転用する際の最適な改修割合を分析する意思決定モデルを提案し、その収益特性を推定するモデルへと展開しました。さらに、京都市の事例を実際に用いて本数理モデルを検証したことで、収益特性を逆算的に絞りこめることも明らかとなりました。本研究の大きな新規性として、積み上げ型が主流であった費用便益分析に対して異なる数理的アプローチができる可能性が示された点が挙げられます。

著者所属
井澤 佳織 東京大学 大学院工学系研究科建築学専攻
渡部 宇子 東京大学 生産技術研究所
本間 裕大 東京大学 生産技術研究所
今井 公太郎 東京大学 生産技術研究所

DOI
https://doi.org/10.11361/journalcpij.56.1144

(関連サイト)
日本都市計画学会
年間優秀論文賞一覧
https://www.cpij.or.jp/com/ac/articles/bp.html

価値交換工学|Update: 2022.5.16