価値交換工学の鳴海紘也特任講師らのInkJet4Dの研究が、一般財団法人最先端表現技術利用推進協会 第7回羽倉賞において、優秀賞を受賞しました。

羽倉賞とは?
3D立体映像・ホログラフィ・VRなどの最先端表現技術の研究・普及に多大な功績を残された故 羽倉 弘之氏の功績を称え、表現技術の質を高めて広い分野への普及に貢献するため、2017年に創設されました。
分野を問わず最先端の表現技術を活用した「作品」および「取り組み」を通して社会に貢献した功績を表彰しており、7年目の表彰となる今年は2件の応募作品が優秀賞として選出されています(第7回羽倉賞:https://soatassoc.org/hagura)

受賞された研究・活動について
Inkjet 4D Print(2023年度羽倉賞応募作品)
Koya Narumi*, Kazuki Koyama*, Kai Suto, Yuta Noma, Hiroki Sato, Tomohiro Tachi, Masaaki Sugimoto, Takeo Igarashi, and Yoshihiro Kawahara. 2023. Inkjet 4D Print: Self-folding Tessellated Origami Objects by Inkjet UV Printing. ACM Trans. Graph. 42, 4, Article 117 (August 2023), 13 pages (* joint first authors).

熱収縮する薄いシートの表裏に折紙のパターンを印刷し、シート全体を加熱することにより数千個以上の面を持つ複雑な折紙を自動的に折る技術を開発。CGで用いられる3Dメッシュなどを入力することで、システムが自動的に変形に必要なパターンを計算し、2次元のインクジェット印刷により造形を行う。この手法は、単純に3次元形状を3Dプリントする場合に比べ、短時間・省材料・省スペースを実現し、持続可能な製造に貢献します。

今後の抱負・感想(鳴海紘也)
この研究は、研究者・企業・デザイナーなど、多くの方々のご協力によって実現しました。結果的に、3次元形状を2次元形状で作る次世代のファブリケーションとして、とてもインパクトの強い成果につながったと感じています。今後はただ形状を作るだけでなく、形状・機能・意匠を同時に実現する印刷技術に発展させていこうと考えております。

研究内容については、ぜひ関連リンクの記事やYoutubeをぜひご覧ください。
鳴海特任講師本人による分かりやすい説明により、専門や非研究者といった壁も超えて研究の魅力を感じられるものになっているかと思います。

■関連リンク
折り紙はここまで進化した。世界初実証、環境にも優しい“折らない”折り紙【鳴海紘也 特任講師プレスリリース公開】|News|RIISE|東京大学 (u-tokyo.ac.jp)
【研究紹介YouTube公開!第五弾】鳴海 紘也特任講師:熱により一瞬で立体になる折紙シートを技術開発|News|RIISE|東京大学 (u-tokyo.ac.jp)

(宮平)

Update: 2023.12.8